調停委員に任せておけば公平な解決になるか

調停委員に任せておけば公平な解決になるか


調停は、裁判所で行う相手との話し合いですが、調停委員が、その話し合いを仲介します。

調停委員は、おじさんとおばさんの2人で、交互に双方の話をきいて、話し合いをまとめようとします。
本当は、もう1人の裁判官と3人で調停委員会を構成しているのですが、裁判官は、普段の調停では姿を見せず、基本的に最後に調停が終わる時しか出てきませんので、実質的には2人の調停委員のおじさんとおばさんが話し合いを仲介します

このように、裁判官ではなくても、調停委員という裁判所の人が話し合いを仲介するのだから、調停委員に任せておけば、弁護士をつけなくても公平な解決に導いてくれるように思えます。

しかし、そうではありません。

調停委員は、裁判官ではないし、あくまで話し合いを仲介しているに過ぎないので、他方が主張していることが、仮に間違ってると思っても、「あなたの主張は間違ってますから、その主張は採用できません」という強気な進め方をすることはありません。
そんなことを言えば、言われた人は激しく反発し、時には感情的になるかもしれませんが、そういった対立は避ける傾向にあります。
ですから、一方が不当な主張をしていても、それをそのまま相手に伝え、もし、相手がそれで合意してよいと言ったら、不当な内容の合意でも、進めてしまいます。
調停委員は、とにかく早く終わらせたいという気持ちが強い傾向があり、当事者がいいと言えばいい、という考え方が強い傾向にあります
もちろん、そうではない、すばらしいと思える調停委員もいますが、玉石混交といった感じで、当たりはずれが大きいです。

例えば、妻が、算定表による標準的な金額である12万円の養育費の支払いを求めたのに対し、夫が、自分が住んでいる家のローンの支払金額が多く、生活が苦しくなるから、10万円にして欲しいと主張したとします。
自分が住んでいる家のローンを支払っていることは、養育費を減額する理由にはなりません。
しかし、調停委員は、双方が合意すればよい、とにかく早く終わらせたいと考えているため、その理由が正しいか否かはあまり問題にせず、妻が10万円で応じれば、10万円で合意を進めてしまいます。
残念なことに、「夫の主張は通常は通らないものです。それを夫に説明し、標準的な金額の12万円で合意するように夫を説得するから、大丈夫です」とは言ってくれません。
「夫はこのように主張しています」と、夫の主張を伝えるだけの場合が多いです。

この例で、12万円と10万円で意見が対立した場合に、夫がどうしても10万円から増額しなければ、調停委員は、妻の側を強く説得しにかかったり、11万円ではどうかと無難な方向に導いたりします。
ですから、妻は、自分の請求を実現するためには、自分が住んでいる家のローンを支払っていることは養育費を減額する理由にならないことを、必要があれば書面を提出して、自分で強く明確に主張し、10万円では合意できないときっぱり言わなければなりません。

しかしながら、弁護士がついていなければ、調停委員の言っていることがそもそも正しいのか判断できないし、妻が譲歩すれば終わるのに、という考えの調停委員のプレッシャーに押されて不利な合意をしてしまうことがあり得ます

こういう実態なので、弁護士がついてない調停では、「声が大きい方が有利」という面があることは否めません。

以上のとおり、調停委員に任せておけば公平な解決に導いてくれるわけではないので、調停でも、不利な合意をしないため、弁護士をつけて、しっかりと自分の主張をするメリットがあるということです。


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