別居後何年で離婚できるか

1 訴訟の判決で離婚が認められるために、何年の別居が必要か

「別居後何年で離婚できるか」という問題があります。


この問題に関してインターネットで検索すると、
たくさんの記事が出てきますが、これは、正確には、
「離婚訴訟で相手が離婚しないと徹底的に争った結果、判決になった場合に、
何年の別居があれば裁判所が離婚を認めるか」という問題です。

 

実際には、相手が離婚しないと徹底的に争うということは少なく、
相手が応じれば離婚できますので、それについては、2項で書くことにします。

 

「離婚訴訟で相手が離婚しないと徹底的に争った結果、
判決になった場合に、何年の別居があれば裁判所が離婚を認めるか」については、
個々の事案や裁判官によっても違うと思いますので、断言はできませんが、
「判決時に3年」というのが一つの目安と考えてよいと思います。

 

裁判官の感覚も、大体そのあたりなのではないかと推測できます。

 

もちろん、裁判官は、尋問で当事者からも話をきいて、
すべての訴訟手続きが終わって判決を書く時に、
すべての事情を総合して判断しますので、一概には言えませんが、
大体、そのくらいの感覚を持っているのではないかと推測します。

 


2 実際には、判決までいかずに離婚になることが多い

実際には、訴訟提起したのに対し、相手が、あくまで離婚しないと徹底的に争って判決に至る、というケースは少ないです。

調停では弁護士をつけなかった人も、訴訟になればほぼ100パーセントの人が弁護士をつけます。

相手に弁護士がつくと、一般的に、離婚しやすくなります。


これは、意外に思うかもしれませんが、次のようなことだと思います。
相手が離婚しないと徹底的に争っているケースでも、
客観的には、相手にとっても離婚した方がよい、というケースが多いのだと思います。


相手の弁護士は、本人よりも状況を客観的に見ることができます。
相手からの「離婚に応じろ」との要求を拒んでいた人でも、
自分の味方である弁護士から客観的な見方を示されると、
離婚に応じる気になるということだと思います。

 

裁判官も、一方の離婚意思が固い時は、まずは、離婚を前提とした和解ができないかを検討して、当事者に打診します。

 

以上の結果、条件次第で、離婚を前提とした和解が成立することが多いということです。

 

さらに、訴訟になる前の、調停段階や協議段階でも、相手が任意に離婚に応じることが多いです。

一方が別居して弁護士までつけていれば、離婚意思が固く、修復の可能性がないことがわかりますから、最初は離婚を拒んでいた相手も、離婚する気になる場合が多いということです。

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弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

当事務所は、離婚に特化し、離婚問題全般に力を入れていますが、中でも、モラルハラスメントの問題の解決に積極的に取り組んでいます。 離婚で相談にお越しになる方の中には、モラルハラスメントで苦しんでいる方が多くいらっしゃいますが、そのような方が、その苦しみから解放されて自由になるため、力になりたいと思っています。 当サイトにはじめてアクセスされた方はまずはこちらをお読みください。 弁護士紹介/ パートナーと離婚したい方へ/ パートナーに離婚したいと言われた方へ
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