離婚と不倫について
目次
不倫が原因の離婚相談の4つのパターン
不倫が原因の離婚相談には、次の4つのパターンがあります。
わかりやすくするため、AとBの夫婦で、Aが不倫したとします。
不倫したAが離婚したがっている場合の、
Aからの相談(1)とBからの相談(2)の2パターンと、
不倫されたBが離婚したがっている場合の
Aからの相談(3)とBからの相談(4)の2パターンです。
以下は、自分にあてはまる部分をお読みいただければと思います。
不倫が原因の離婚の特徴は、
Bが不倫の確実な証拠を持っていると、不倫したAからの離婚請求が、通常の場合より認められにくくなる点です。
以下では、不倫の確実な証拠があることを前提に説明します。
1 自分が不倫し、自分が離婚したい方
このパターンで、相手が離婚に応じないというケースは、困難な相談の一つです。
2の逆パターンであり、自分は不利な立場に置かれますので、
場合によっては、相手の希望する条件まで譲歩することを検討する必要があります。
2 相手が不倫し、相手から離婚を求められている方
この場合、この場合、Aの不倫の確実な証拠をBが持っていれば、「Bからの」慰謝料請求が認められることはもちろん、Aからの離婚請求が認められにくくなります
そのため、Bには、「当面は離婚に応じない」「慰謝料をもらって早期に離婚する」
「自分の納得する条件を求めて交渉する」という選択肢が生まれ、立場的には優位になります。
3 相手が不倫し、自分が離婚したい方
基本的な状況は2と同じですので、優位な立場を活かして交渉することもできるし、早期に離婚することもできることになります。
4 自分が不倫した結果、相手から離婚を求められている方
相手が不倫の確実な証拠を持って離婚を求めてきたら、離婚したくなくても、離婚を避けるのは難しいということになります。
養育費や財産分与などについて、いかに適正な条件で離婚するかを考えることになります。
確実な証拠の有無や相手の争い方で展開が変わる
上記の説明は、不倫の確実な証拠があることを前提としました。
しかし、実際は、確実な証拠があるとは言えない事案も多いです。
また、確実な証拠を持っていると思っていたのに、相手が思わぬところで争ってくることもあります。
多いのは、夫婦関係破綻後の不倫だから、悪くない、という主張です。
確実な証拠がなかったり、相手が悪くないと争ってきた場合は、上記の説明のとおりとはならず、展開が変わってきます。
このように、不倫が原因の離婚相談では、まず、確実な証拠があるか否か、なければ、確実な証拠をとるか否か、が問題となります。
確実な証拠と言えるか否かは、最終的に裁判官がどう判断するかの予想になりますから、専門的な判断が必要です。
また、これから証拠をとる場合は、どうすれば確実な証拠がとれるかについて、専門家のアドバイスが必要になります。
既に別居している場合は、夫婦関係破綻後の不倫と言われる可能性が高くなるので、慎重になる必要があります。
また、どこまでの証拠をとれば裁判官が認定するのかについて、事案ごとに判断する必要があります。
最後に
以上のとおり、不倫が原因の離婚の場合、パターンごとの状況に応じて考える必要があり、また、持っている証拠が確実なものか、これから証拠をとるかの判断に、専門家のアドバイスが必要ですので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
当事務所では、不倫が原因の離婚を多数扱った経験がありますので、是非ご相談ください。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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