配偶者から離婚を切り出されたが、離婚したくない方へ
目次
〇基本的な考え方
まず、別居しているか否かで、対応は大きく変わります。
別居していると、別居期間が長くなることで(目安は3年程度)、いずれは必ず離婚になってしまいます。ですから、そのことを踏まえて対応を考える必要があります。
これに対し、別居せず、夫婦間で話をしているだけの場合は、こちらが離婚に応じない限り、離婚は成立しないと考えて大丈夫です。
ただし、配偶者が、同居したまま、弁護士をつけて離婚を求めてきたり、調停を申し立てたりしてきた場合は、同居したままでも離婚が成立する可能性がありますので、対応が必要です。
〇具体的対応
・別居している場合
別居している場合、自らの言動や夫婦関係の改善点を示すなどし、
修復の意思を伝えることで、配偶者が離婚意思を撤回することを目指すことになります。
しかし、配偶者の離婚意思が固く、離婚意思を撤回することはあり得ないとわかった場合は、その後の対応をどうするかを決めなければなりません。
この場合、婚姻費用を払う側か否かで、検討する内容が変わってきます。
婚姻費用を払う側の場合は、3年程度で離婚になってしまいますから、それまで婚姻費用を払い続けてから離婚するか、早期に離婚に応じるかを検討しなければなりません。
婚姻費用をもらう側の場合は、3年程度経過するまで婚姻費用をもらい続けてから、通常の離婚条件で離婚するか、早期に離婚に応じるかわりに有利な離婚条件を提示して離婚を進めるかを検討しなければなりません。
・別居していない場合
夫婦間で話しているだけの場合は、相手の気持ちに働きかけて、離婚意思を撤回してもらうことを目指すことになります。
これに対し、配偶者が、同居したまま、弁護士をつけて離婚を求めてきたり、調停を起こしてきた場合は、同居したままでも、別居と同様に夫婦関係は破綻していると認められ、その状態が長く続くと、こちらが離婚に応じなくても離婚が成立する可能性があることを前提に対応すべきです。
つまり、このような場合は、別居している場合と同様に、そのままだと、いずれは離婚が成立してしまうと考えて、対応を検討すべき、ということになります。
具体的検討内容は、別居した場合と同様になります。
〇最後に
基本的な対応の考え方は以上のとおりですが、それぞれの案件の具体的状況に応じて、対応は異なります。
離婚に応じると考えた場合、「離婚に応じる」というのが、最大の交渉の切り札になります。
その切り札を、安易に切らず、ベストなタイミングで切るために、事前に弁護士にご相談することをおすすめします。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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