パートナーと同居中で、離婚したい方
目次
基本的な考え方
離婚を進めるにあたり、別居するか否かを、まず検討する必要があります。
これは、相手が離婚に応じないという場合、別居すれば、確実に離婚できるようになるからです。
不倫などの確実な離婚原因がない場合でも、長期間(目安は3年程度)別居すれば、離婚できるようになります。
これは、必ず3年経なければならないという意味ではなく、別居すれば、いずれは離婚になることが相手にもわかりますので、相手も離婚を考えざるを得なくなる結果、早期に離婚できることもあります。
また、別居した方が、離婚意思が相手にはっきり伝わるという効果もあります。
さらに、離婚の話をするのに、同居したままだとストレスが大きいという問題もあります。
具体的対応
1 別居する場合
別居する場合は、別居後の生活を考えておく必要があります。
特に、主に主婦をしていた方が別居する場合は、経済的な不安がどうしてもつきまといます。
離婚したいと思い、別居を考えている時に、漠然とした不安を抱いているだけだと、別居・離婚の決断ができなくなってしまいますから、別居後の生活を具体的にシミュレーションするのがよいと思います。
具体的に、いくらあれば生活できるのかというのを出すことによって、漠然とした不安からは逃れられると思います。
別居したら、相手からどのくらい婚姻費用がもらえるのかも予想する必要があります。
そして、収入を増やせるようであれば、別居前からその準備をしておきます。
パートなどをしていた方は、収入を増やそうと思えば増やせる人が多いように思います。
また、どこに住むかも重要です。
主に主婦をしていた方であれば、実家に住めれば一番よいと思いますが、様々な理由で実家に住めない方も多いです。
その場合、別居前に賃貸物件探しをする必要があります。
どこに住むかを考えて物件を調べるのは、前向きな行動になりますから、こういった行動をとることによって、暗くなりがちな気分をできるだけ前向きにもっていくのがよいと思います。
この他、お子さんの学校をどうするかなど、別居前に考えなければならないことが多いですが、具体的に準備を進めることによって、漠然とした不安は解消されていくと思います。
2 別居を考えてない場合
「基本的な考え方」に記載したとおり、離婚を進めるうえでは、別居をした方がよい点がいくつかあり、別居して離婚を進める人が多いのが実情です。
しかし、事情により、別居しないで進めるという方もいます。
長期間の別居があると離婚が認められると説明しましたが、別居しないといつまでも離婚できないというわけではありません。
同居したままでも、婚姻関係が破綻しているような状況が長く続けば、離婚が認められるようになります。
例えば、弁護士をつけて離婚を求めれば、別居しなくても婚姻関係は破綻状態にあると認められると考えられます。
3 別居しないで離婚を進めてみて、ダメなら別居する
1と2の中間的なパターンとして、できれば別居したくないので、別居せずに離婚を進めるが、ダメなら別居するという方もいます。
同居したままでも、相手が離婚に応じれば離婚協議を進められますので、まずは別居せずに離婚を相手に打診してみるという進め方です。
これにより、同居したまま離婚の話が進めばよいし、無理そうな場合は、同居のストレスを避けたり、確実に離婚できるようにするため、別居する、という方法です。
最後に
当事務所では、別居前から依頼を受けるケースが多く、別居に向けたアドバイスをした経験が多いですので、離婚を考えたら、別居前に早期にご相談にお越しになることをおすすめします。
また、別居しないで進めるという場合は、離婚意思を相手にはっきり伝えるためにも、弁護士をつけることをおすすめします。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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