離婚したくて別居したが、どう進めてよいかわからない方
目次
基本的な考え方
夫婦で離婚が問題になると、何をどうすればよいかわからないという方もいると思います。
夫婦間でやり取りしていると、互いに、細かいことも含めていろんなことを言い合うようになり、それぞれの点について意見が対立すると、どう解決に持っていけばよいのかわからない状況になることもあると思います。
基本的な考え方としては、次のようになります。
まず、離婚時に決める必要がある項目は限られているので、問題点を項目に分けて整理することです。
また、細かい点は、まず、検討の必要があることとないことに分け、検討の必要があることについては、明確に「どうすべきか」を決めて判断をくだしていくことです。
具体的対応
1 離婚時に決める必要がる項目
離婚に向けて決める必要がある項目は、
①離婚するか否か、子どものこと(②親権、③養育費、④面会)、お金のこと(⑤財産分与、⑥慰謝料、⑦年金分割)、⑧婚姻費用、の8点です。
まず、離婚意思が合致しているかが問題となります。
相手が離婚に応じないという場合、まずは離婚協議を持ちかけますが、協議が難しそうであれば、調停・訴訟といった法的手段を検討することになります。
そして、離婚までの間は、婚姻費用が問題となります。
婚姻費用を適正な金額で定めることは、離婚を進めるうえで非常に重要ですので、安易に決めてしまわない方がよいです。
離婚意思が合致していれば、離婚条件としては、②から⑦の6点ということになりますが、慰謝料など、必ずしも問題にならない項目もありますので、6点すべてを必ず決めなければならないわけではありません。
このようにして、決める必要がある項目をまず明らかにして、それぞれの問題を各項目に分けて考えていくと、頭が整理できます。
この中でも、特に問題が複雑になりやすいのは、財産分与です。
財産分与は、まず、互いの財産の資料を開示し合うことが必要です。
自分の財産資料を入手するとともに、相手の財産を特定し、その資料の開示を要求していく必要があります。
そして、互いの財産が開示されたら、それを表にすることが重要です。
財産分与について、互いに言い分が違っている場合でも、それを表にして、ビジュアル的に見やすくして整理することで、「どこで意見が食い違っているのか」「どこを詰めていけばよいか」「全体として、いくら争いがあるのか」などが明らかになり、合意に進みやすくなります。
2 細かい点について
弁護士をつけずに夫婦間で話し合っている段階で問題になっている細かい点については、専門家からすると、そもそも検討の必要がない事項もあります。
相手との交渉における立場によっては、相手からの細かい要求を無視すればよい、ということもあります。
専門家からすれば無視してよいようなことであっても、相手から要求されると、答えなければならないと受け止めてしまい、煩わされてしまう、というケースが多くみられるように感じます。
また、細かい点まで法律で決まっているわけではないので、細かい点をどう解決していけばよいかわからないということがあると思いますが、離婚を多く経験していると、「その点はこう対処すべき」というのが、わかる場合が多いです。
そうやって、ひとつひとつ細かい点もクリアにし、最終的な合意に進んでいくことになります。
最後に
相手が離婚に応じない場合、こちらが弁護士をつければ、相手もつける可能性が高まります。そして、意外に思うかもしれませんが、相手に弁護士がついた方が、相手は離婚に応じやすくなる傾向があり、離婚条件についての協議もスムーズに進みやすくなります。
相手が協議での離婚に応じそうにない場合、調停を起こすタイミングや、訴訟すれば離婚が認められるかの判断には、専門的な判断が必要になります。
また、離婚意思が合致し、離婚条件を詰めていく段階では、養育費や財産分与といった重要な点について、専門的な判断が必要になるケースが多くあります。
以上のようなことから、別居したがどう離婚を進めてよいかわからないという状況になったら、弁護士に相談することをおすすめします。
当事務所は、そのようなケースでの解決事例が多数ありますので、是非ご相談ください。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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