面会交流
目次
面会交流について
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離婚後、監護者にならなかった親が、子どもに直接会ったり、直接会う以外の方法で交流したりすることを面会交流と言います。
離婚前の別居中も面会は問題となります。
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面会交流が認められる基準は、子どもの福祉に資するかどうかです。会うことで子どもに悪影響があるような場合には、面会交流権が制限されることもあり得ます。
面会交流を実施するか否か
面会交流については、そもそも実施するか否かがまずは問題となります。
同居親の中には、面会交流に消極的な気持ちを持っている人も多いです。
離婚したくて別居しているわけですから、相手に対する不信感が強いのも当然で、相手に対する不信感から、面会交流に消極的な気持ちになるのは、ある意味仕方ないと言えるかもしれません。
面会交流は子の福祉に資するかという観点から判断する必要がありますが、相手に対する不信感がある場合に、その感情から切り離して子の福祉に資するかを判断することは、困難を伴います。
このように、面会交流は、親同士の感情が鋭く対立する場面と言えます。
別居親から面会の要求がない場合
面会交流は、通常、別居親の方から「面会させてほしい」と要求します。
別居親の方からの要求がないのに、同居親の方から「面会してほしい」と要求するケースは、なくはないですが、まれです。
別居親の方から面会の要求がない場合に、同居親が面会させたいと考えたとしても、面会を希望しない相手に対して「どうか子どもと面会してやってくれ」とは、言いにくいです。
その結果、面会が実施されないこともあり得ます。
その場合は、子どもにとってそれでよいのかという問題になりますが、これに関しては、別居親の子どもに対する愛情の問題になりますから、離婚事件の枠組みの中で解決できるような問題ではないかもしれません。面会を希望していない別居親に面会を強制する法的手段は用意されていません。
別居親から面会の要求があり、同居親が同意する場合
別居親から面会を要求し、同居親がそれに応じることで面会を実現するのが、一般的なケースです。
この場合は、面会の中身が問題となります。
面会時間等でも対立することがありますが、対立が鋭くなりがちなのは、月に何回面会するかという面会の頻度の問題です。
例えば、別居親は月2回の面会を要求したのに対し、同居親は月1回であれば同意できるといった場合です。
面会の頻度で対立する場合は、面会調停に発展するケースも多いです。
別居親から面会の要求があり、同居親が拒否する場合
別居親から面会を要求したのに対し、同居親が拒否する場合は、もっとも鋭く対立します。
同居親は、通常、理由なく面会を拒否することはなく、別居前に子どもに対して虐待をしたといった理由で拒否します。
同居親が面会を拒否し、その理由を示したとしても、別居親はその理由に納得しないことが多く、その場合は、別居親から面会調停を申し立てることが多いです。
面会調停では、話合いで解決できない場合は、調査官調査を実施することになります。
調査官調査においては、中立な裁判所の調査官が、子ども本人の心情を聞くことが多いです(子どもが小さい場合は聞かないこともあります)。
それにより、別居前の虐待が明らかになり、子ども本人が「面会したくない」と述べることで、面会が制限されることがあります。
調査官の調査報告書に、「直接面会はすべきではない」といった調査官の意見が記載され、それを踏まえて、別居親が調停委員や調査官と話をし、直接面会を諦めることも多いです。
別居親が諦めなければ審判に進み、裁判官が判断することになりますが、その場合、調査官の意見を反映した審判になることがほとんどです。裁判官が調査官の意見を尊重するからです。それくらい、調査官の意見は重視されるということです。
つまり、調査官の調査報告書に、「直接面会はすべきではない」といった調査官の意見が記載されている場合は、審判でも直接面会が認められることはないと言えます。
もっとも、その場合でも、手紙を送るといった間接交流について取り決めることが多く、面会調停において、一切の交流禁止という結論で終わることはめったにありません。
以上に対して、同居親の面会を拒否する理由がそこまで強くない場合は、調査官の調査報告書には、直接面会をすべきではないとまでは記載されません。また、同居親の認識に反して、子ども自身はそこまで面会を嫌がっていないことが調査により明らかになることもあります。こういった調査結果を踏まえて調停で話合いが行われ、面会を実施する合意に進むこともあります。
この場合に、面会に消極的だった同居親は強い不満を抱くことがあります。裁判所による調査結果を信用するかという問題ですが、別居親に対する不信感が極めて強い場合は、裁判所による調査結果も信用できないという心理になってしまうこともあるということです。
この他、別居親が子どもを連れ去ろうとするおそれがあるという理由で面会を拒否することもあり得ます。
この場合には、別居親が面会調停を申し立てれば、「調停で面会を決めたのに連れ去ることはないだろう」とされ、面会は認められることが多いです。実際、調停で面会を決めたのに連れ去るという事例を私は知りません。
面会中に別居親が子どもに虐待をするのではないかと心配して面会を拒否するケースもあります。
これに関しては、ようやく面会できたのに、その短い時間の中で虐待をするというケースは見られません。別居親側は次回以降の面会を制限されてしまうリスクがあると考えられますが、私が実際に面会が実施されたケースの話を聞く限り、別居親は、「虐待したいけど面会が制限されるリスクがあるからしない」というわけではなく、虐待の可能性はそもそもないような雰囲気で面会は実施されるのが通常です。
問題なのは、面会中に、離婚に関する話をしたり、子どもに対して「家に戻ってきて」と言うなど、本来夫婦間で話合うべき事柄に子どもを巻き込んでしまうことです。そういった場合は、面会自体を制限するというよりは、そういう話をしないという面会のルールを定めるという話となるのが通常です。
面会交流が制限され得る場合
1.非監護親(面会交流を求める親)に問題がある場合
例えば、同居中に子どもに暴力をふるったといったケースです。
2.子どもの年齢が高い場合、子の意思が尊重される
子どもの年齢が高い場合、親が面会を決めてそれに子をしたがわせることが現実的でないと言えます。
面会交流をする場合に取り決める事項
面会交流をする場合には、条件を具体的に、詳細に決めておくことが可能です。ただし、あまり詳細に決めようとし過ぎると、その条件をめぐる争いが長期化することがありますので注意が必要です。
以下の条件のうち、ほとんどのケースで取り決めるのは、日帰り面会の頻度です。それ以外の条件で問題となることが多いのは、長期休暇中の宿泊面会と学校行事への参加です。別居親がこれらを希望し、同居親がそれに消極的な場合、鋭く対立することになります。学校行事は、両親が同じ空間に行くことになるため、離婚を求めた側の拒否反応が強いことがあります。時間については、取り決めておいた方がわかりやすいですが、子の年齢によっても適切な時間が変わってきますので、取り決めるケースはどちらかというと少数です。子どもの意思については、誰がどうやって確認するかという問題がありますので、考慮すると定めるケースは少数です。
・頻度(月に何回実施するか)
・時間(何時間実施するか、何時から何時までか)
・場所(子の受渡し場所、面会中過ごす場所)
・電話や手紙、メールのやりとりを認めるのか
・宿泊を伴う面会を実施するか
・学校行事へ参加できるのか
・予定日が都合が悪くなった場合に代替日をどうするか
・連絡方法はどうするのか
・子どもの意思を考慮するか 等
話し合いで決まらなければ、家庭裁判所へ子の監護に関する処分として面会交流の調停申立をします。調停が不成立であれば、手続きは審判に移行します。ただし、親であれば無制限に認められるという権利ではなく、子どもの福祉を害したり、子どもの意思に反する場合は、制限される場合があります。
一旦認められた面会交流も、子どもに悪影響を与えたり、子どものためにならないと認められる場合には、調停や審判によって、一時停止されたり、条件が変更されたりする場合があります。
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弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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