不貞行為の証拠として有力な資料について
不貞行為の証拠として典型的なのは、いわゆるラブホテルに入る時と出る時の写真で、通常は探偵・調査会社・興信所に頼んで入手します。 厳密には、入る時の写真と出る時の写真の間に、出てきていないことも証明しないと、「その間外出していた」などという苦し紛れの反論をされてしまうことがあるので、調査会社の人が、その間ホテルの前で張り込み、「出てきていない」ということを写真とともに報告する内容の調査報告書が作成されます。 このような調査報告書があれば、ほぼ、相手の反論を封殺して、不貞があったことを前提に話を進めることができます。
それ以外の証拠は、相手に反論の余地を与えてしまいます。
例えば、相手の女性の部屋に入ったという場合、それも、数時間滞在しただけという場合だと、滞在したことを示す証拠を出しても、「性交渉はなかった」と反論されてしまうのは、典型的な例です。 こういった場合に、どこまでの証拠があれば不貞が立証できるかは、ケースバイケースで、判断は難しいので、弁護士に相談することをおすすめします。
また、宿泊したことの証拠でも、ホテルや相手の部屋に入った後、夜になったら調査を一旦打ち切って、朝から調査を再開したという内容の調査報告書を持っている人がけっこういます。おそらく、その方が費用が安いからだと思います。 この場合に相手がする、夜に調査を打ち切った後に退出した、という反論も、典型的な反論の一つです。 朝調査を再開し、出てくるところの写真がとれればよいですが、朝調査を再開する前に相手が退出してしまい、出てくるところの写真をとれないと、「夜退出した」という相手の反論はより一層しやすくなります。「そんなわけないだろ」と言いたくなりますが、このような反論の余地を与えてしまうこと自体不利なので、調査する際は注意した方がよいです。
調査報告書以外で有力な証拠は、メールなどです。ここに、泊まったことや親密に交際している内容が書かれていれば、有力な証拠となります。中には、性交渉をしたことが書かれていることもあり、そういう証拠があれば、それだけで立証できることもあります。 ただし、メールは、直接的なことが書かれていないことも多く、内容を吟味したら、性交渉につながることが書かれていないということも多いです。 メールが証拠になるか否かの判断も困難ですので、弁護士に相談することをおすすめします。
他に証拠として多いのは、GPSの履歴です。これは、一定時間ラブホテルに滞在したことがわかれば証拠となりますが、相手が誰なのか、証拠からはわからないという難点があります。 その他、二人で行ったと思われるレシートなどを証拠として持参する人がいますが、これは、なかなか直接的な証拠にならない場合が多いです。
以上のとおり、手持ちの証拠で不貞を立証できるかの判断は難しい場合が多いので、慰謝料請求を進める前に弁護士に相談することをおすすめします。 当事務所では、比較的良心的な価格で、調査の質が高い調査会社をお教えすることができます。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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