親権に関し弁護士をつけるべき理由

1 親権の争いの特徴

養育費や財産分与の問題は、負ければゼロになるわけではなく、お金が増えたり減ったりという問題です
これに対し、親権の争いは、とるかとられるか、二択の問題です
この点が、親権の争いの特徴だと思います

多いのは、同居中から母親が監護養育し、普通に考えたら母親が親権者になるべきケースで、夫側が親権を欲しいと争ってくるケースです

親権を主張する相手は、親権をとろうと、育児が不十分であったとか、虐待をしたとか、場合によっては不倫をしたなど、こちらの悪い点をあげつらって攻撃してくることが多いです
そのような攻撃に対し、自分が親権者としてふさわしいことをしっかりと主張・立証して、親権を確保する必要があります

2 親権者・監護者を決める手続き

親権の争いは、実際は、別居中に「監護者」(同居して世話をする人)の争いという形で現れることが多いです
親権を裁判所が決める場面は、訴訟になりますが、訴訟で最後の最後まで親権が争われるというケースは実際は少ないです
その前の段階で、別居中に、「監護者」をどちらにすべきか、という形で争いになることが多いです
ここで勝った方が、親権をとれると考えて、ほぼ間違いないと言えます
ですから、「監護者」の争いは、実質的には親権者の争いとして、激しく争われることが多いです

そして、監護者を決める手続きとしては、調停と審判があります
さらに、審判と同時に保全処分を申し立てるという方法があります
保全処分とは、審判で結果が出るまで時間がかかるので、それまでの法律関係を仮に決めるという手続きで、手続きが早く進み、早く結論が出るのが特徴です

3 調停・審判で争うには、高度な知識・ノウハウが必要

2で述べたとおり、親権が本格的に争われる場合は、裁判所での争いになります

このうち、審判と保全処分の手続きは、訴訟と同じで、弁護士をつけないで自分でやるという選択肢はないと思われます
裁判所が定めた期限内に、必要十分な主張書面や証拠をきっちり出していかなければなりません
裁判官が判断するので、裁判官にわかるように主張や証拠を出す必要があり、これには、高度な専門的知識が必要です

これに対し、調停は話合いですが、相手が本格的に争っている場合は、調査官調査が入ります(調査官調査は、審判でも当然入ります)
調査官調査とは、裁判所調査官という、家庭問題専門の裁判所職員が、調査をして、意見を述べるというものです
最終的な判断権は裁判官にありますが、裁判官は、実際に調査にあたった調査官の意見を尊重しますので、調査官の意見が、ほぼ裁判官の意見になると考えてよいです

ですから、親権の争いでは、調査官に、「自分が親権者としてふさわしい」ことを認めてもらうことが、最重要となります

そして、この調査官調査で調査官に認めてもらうためには、高度な知識・ノウハウが必要になります

4 調査官調査の実際

調査官調査では、当事者と子どもの面談の他、学校や幼稚園の先生からの聞き取りなどが行われます
この面談にあたり、どういう心構えで臨むかは、重要です
そして、心構えをするうえでは、裁判所(調査官)はどういう人を親権者としてふさわしいと考えるか」を知っている必要がありますから、弁護士のアドバイスが必要となります

この他、調査官調査では、「陳述書」というのを提出します
陳述書では、子どもの生活の状況や、同居中の状況など、記載する項目について裁判所からの指定があります
また、母子手帳など、陳述書と一緒に提出すべき資料も指定されます

陳述書には、裁判所から指定された項目になくても、自分に有利なことは、記載すべきです
例えば、同居中の相手の悪い点など、調査官の印象を左右することは、記載すべきです
相手の不倫など、親権とは理論的に関係ないかもしれませんが、記載すれば、印象は変わるはずです
裁判所から指定された項目以外の項目を書いてはいけないということはなく、書いていい、ということです
書くとして、そこにどういうことを書けば有利になるかの判断は難しいので、弁護士に依頼すべきです

次に、裁判所から指定があった証拠以外でも、有利と思われる証拠は、出すべきです
例えば、別居後、子どもがいかに穏やかに暮らしてるかがわかるような写真などです
写真は、ビジュアルで感覚的にわかりますから、印象を左右できると思います
裁判所からの指定には写真などありませんから、弁護士に依頼しなければ、そういった発想が浮かばないのではないかと思います

このようにして、自分が親権者としてふさわしいんだ、という気持ちのこもった書面・証拠を提出するとよいです

5 まとめ

当事務所では、親権・監護権を争った事案の経験が多数あり、どのような主張・立証をすると有利かの経験値を積んでいます。親権の争いで悩んだ場合は、是非一度当事務所にご相談いただければと存じます