動産の財産分与
自動車や家財道具などの動産の財産分与について述べます。
自動車以外の動産については、財産的価値がない場合がほとんどであり、財産分与が問題になることは少ないです。
分与の対象となるのは、婚姻中に築いた財産です。
それぞれの現在価値を評価して、その現在価値を財産形成への寄与度に応じて分与することになります。
夫婦のいずれかが独身時代から所持していたものはその人の特有財産となり、分与の対象とはなりません。
動産の現在価値
続いて、動産の現在価値の評価方法について述べます。
基本的には、中古市場での時価額を参考に、価値を算出していきます。
自動車であれば、中古車の価格相場を参考にし、家具や電化製品などの財産も、中古の市場価格を参考に価値を算出していきます。
中古の家具や電化製品は、価値がない場合がほとんどです。これらを財産分与の対象としたいと考える人がいますが、試しに、自宅にある家具や電化製品をまとめて買い取ってくれと業者に相談してみれば、それらに価値がないことがわかります。通常は、逆に処分費用がかかり、マイナスとなります。業者は、トラックで回収に来て、それを店舗等で販売するわけですが、回収にかなりコストがかかりますし、中古の家電を売って利益を出すためには、お金を払って中古品を買い取る余裕がないことがほとんどです。
したがって、家具や電化製品は、実際には夫婦間での話し合いの上、現物で分け合うことが多いです。
さらに、動産に関する評価や協議を離婚協議書に記載することもまれで、事実上、離婚の時点で所持している方がその動産を取得する結果になることが多いです。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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