離婚協議で弁護士をつけるべき理由

1  離婚協議は法的な交渉である

夫婦は、通常、恋愛関係が発展し、法的な婚姻に至ります
ですから、別れる時も、できれば夫婦間で話し合って決めた方がよいと思う人もいるかもしれません
しかし、離婚は、恋愛関係の解消ではなく、法的関係の解消です

子どもの親権、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割など、法的なことを決めて別れる必要があります

そして、離婚の話になっている時は、感情的対立が強くなっている場合が多く、穏やかに冷静に話し合うことは期待できません
これらの法的な問題に関し、鋭く意見が対立し、激しい争いになる場合が多いです
親権について争いがあれば、極めて大きな問題となることは言うまでもありません
養育費や財産分与といったお金の問題に関しては、通常、払う側はなるべく少なくしようとし、もらう側はなるべく多くしようとしますので、激しく争うことになります

訴訟であれば裁判官が決めることになりますが、協議の段階では、交渉が必要になるのです
金額交渉ということです
もともと夫婦であった人と金額交渉をするのは悲しいかもしれませんが、これが現実です

そこで、法的な交渉のプロである、弁護士をつけることで、交渉を有利にもっていく必要があるということです

2  離婚協議で弁護士をつけるメリット


(1)交渉力の強化

離婚協議で弁護士をつけるメリットの一つは、1で述べたとおり、交渉力を強化するという点です
夫婦の力関係は、対等でない場合が多く、どちらかが強いことが多いです
そして、力関係が弱い方が離婚したいと考える場合が多いです
力関係に差があるまま離婚条件を決めると、本来得られるべきものが得られない可能性があります
弁護士をつければ、この点の不利益は完全に解消されます
よく、「私の夫は弁が立つ」と言う人がいます
しかし、法的交渉のプロである弁護士からみたら、まったく脅威を感じることはありません
例えて言えば、外科手術を何度も経験した医者と、医学の本を読んでいくらか詳しくなった人くらいの違いがあります
法的な交渉は、専門的なものなので、弁が立つとか、強気とかいうだけで有利にもっていけるものではありません
相手が弁護士をつけていない場合に、相手の交渉力不足・知識不足のために、交渉が有利になったという経験は、何度もあります


(2)そもそも直接話をするのがストレス、時間をとられる

交渉力云々以前に、そもそも、相手のことが嫌いなので、直接話すことに多大なストレスをともなうという人がいます
このストレスは、軽視できません
自分で離婚を進めると、常にそのことが頭から離れず、仕事や日常生活に大きな悪影響を及ぼします
弁護士をつければ、基本的に、弁護士にまかせることができるので、このストレスを回避できます
弁護士から質問されたり相談された時に答えていれば、離婚の話が進むようになります
また、自分で交渉するとなると、ストレスだけでなく、単純に、時間もとられます
相手と話す時間はもちろん、調べたり、悩んだりする時間もとられます
弁護士をつければ、その時間を、仕事や自分のしたいことに向けることができます


(3)知識不足を補う

養育費や財産分与といった離婚条件を決めるためには、法的な知識が必要になります
これは、調べれば弁護士と同等の知識が得られるものではありません
先ほどの外科医の例で言えば、本で調べても手術ができるわけではないのと同じです
交渉は、臨機応変に、場面に応じて適切な判断が必要になるので、そのような現場のノウハウは、調べて得られるものではありません
また、そもそも、何が問題になるかがわからなければ、調べることもできません
問題点に気付かず、知らないうちに不利な条件で合意をしてしまう、ということもあり得ます
たまに、離婚後に相談に来る人がいるのですが、不利な合意をしてしまったが、「後の祭り」で、「離婚前に相談に来てくれれば」という人がいます


(4)問題点を整理する、交渉がスムーズに進む、決断しやすくなる、適切な主張のタイミングなど

弁護士がつく前の本人同士の話合いの経過をみると、不必要な議論をしていることが多いです
弁護士をつけることで、問題点を整理し、不必要な議論を避けることができます
また、どういう問題点について、どういう順番で話を進めるのがスムーズにいくかという交渉の進め方についても、整理され、スムーズに進みやすくなります
また、相手の主張が正しいのか、間違っているとしてどこが間違っているのか、一般的にはどうなのか、といったことがわからないと、適切な決断ができませんが、弁護士がつくことで、自信をもって決断できるようになります
さらに、同じ主張をするにしても、相手の主張を待ってからした方がよいなど、主張のタイミングによっても結果が変わってくることがあります
このように、交渉の過程では、細かいけど重要な判断が必要になることもありますが、こういった判断は専門家でなければなかなかできるものではありません


(5)履行を確保できるような協議書を作る

やっと交渉が終わって合意し、協議書を作ることになっても、注意が必要です
養育費は、必ず公正証書にする必要があります
財産分与についても、離婚後に払ってもらう場合は、しっかりと履行を確保できる形で公正証書にする必要があります
公正証書は、相手が支払いを怠った時に相手の財産に強制執行をするために作成するのですが、公正証書にすれば常に強制執行できるようになるわけではありません
公正証書を強制執行できるような形で作成するためには、専門的な知識が必要です
ですから、この時点でも、弁護士をつけるメリットがあります

3 最後に

以上のとおり、離婚協議を進めるうえでは、弁護士をつけるメリットは大きく、つけた方がよいことは間違いありません

 

民間企業による調査でも、弁護士に相談した方の9割以上が「弁護士に相談してよかった」と依頼した結果に満足しているという調査結果がでています。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000019346.html


当事務所は、離婚に注力しており、数多くの離婚協議・交渉をした経験がありますので、上記のメリットを享受するため、是非一度ご相談ください

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弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

当事務所は、離婚に特化し、離婚問題全般に力を入れていますが、中でも、モラルハラスメントの問題の解決に積極的に取り組んでいます。 離婚で相談にお越しになる方の中には、モラルハラスメントで苦しんでいる方が多くいらっしゃいますが、そのような方が、その苦しみから解放されて自由になるため、力になりたいと思っています。 当サイトにはじめてアクセスされた方はまずはこちらをお読みください。 弁護士紹介/ パートナーと離婚したい方へ/ パートナーに離婚したいと言われた方へ
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