離婚の方法

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~離婚の方法~

離婚の方法として、①協議離婚(民法763条)、②調停離婚(家事事件手続法268条1項)、③訴訟離婚(判決離婚(民法770条)及び和解離婚(人事訴訟法37条1項))があります。日本では、90パーセント近くが協議離婚です。調停離婚は10パーセント程度、訴訟離婚は2、3パーセント程度です。

 

※他に審判離婚(家事事件手続法284条)というものがあります。審判離婚とは、双方が離婚に同意していて、条件等もほぼ合意ができているものの、小さな点で対立している場合などに、裁判所が離婚させた方が良いと判断し、職権で離婚の審判を下すというものですが、実際行われる数は少ないです。

 

1 協議離婚

協議離婚は、離婚意思が合致した夫婦が、離婚届を提出することで成立し、離婚手続きの中では一番簡単なものです。

 

ただし、未成年の子どもがいる場合には、離婚届に親権者を記載する欄があるため、離婚前に必ず親権者を決める必要があります

 

また、親権以外の離婚条件(養育費・面会交流・財産分与等)は、離婚前に決めることが必須ではありませんが、決めておいた方がよく、当事務所で依頼を受けたケースでは、ほとんどが離婚条件を決めてから離婚しています。離婚条件の十分な取り決めもなく離婚届を出してしまうと、離婚後の生活で困るケースも少なくありません。離婚条件が決まったら、離婚届を出す前に、離婚協議書を作成することをおすすめします。養育費や財産分与などの条項がある場合は、強制執行ができる公正証書を作成するとよいです。

 

当事者同士の話し合いだと、感情的になることが多いため、弁護士をつけたほうが、協議離婚はスムーズに進みます

 

2 調停離婚

調停離婚は、家庭裁判所の「調停」という手続を利用して行う離婚です。

 

調停は、裁判官と中立な立場である調停委員(男女1名ずつ)が立ち合います。調停委員が当事者双方から話を聞き取り、調停委員から助言を受けながら話し合いを進めます。相手と顔を合わせず、第三者が間に入るため、冷静に話をしやすくなります。

 

離婚問題は、性質上、話し合いによる解決が好ましいとされており、協議が進まない場合は、次の段階として、離婚調停の場で話し合うこととなり、離婚調停の手続きを経てからでないと、離婚訴訟は起こすことができない決まりになっています(調停前置主義)。

 

なお、統計によると、約71パーセントの事件が調停期間6か月以内で終わっています。これは平均的なデータですが、弁護士が代理人となるケースは複雑な事件が多いと思われ、全体の平均よりも長期化する場合もあります。しかし、その場合でも、約94パーセントの事件は1年以内に終了しています。調停の結果は、離婚に至ったものが約55パーセント、不成立・取下げで終わったものが約39パーセントとなっています。

 

3 訴訟離婚

訴訟離婚とは、配偶者の一方が、裁判所に対し、「離婚する」という判決を求め、裁判所が、その請求について判断する手続きです。

 

裁判所は、離婚の判決をするときは、未成年者の子がいる場合、必ずどちらかを親権者に決めなければなりません

 

また、訴訟提起すると、附帯処分といって、養育費、子どもとの面会交流、財産分与、年金分割等についても判断される場合が多いです

 

訴訟提起するには、民法770条1項に規定されている離婚原因が必要なので、離婚を請求する原告は、その訴訟において、離婚原因が存在することを主張・立証しなければ離婚できません。

 

【民法770条1項に記載されている離婚原因】

 ①配偶者に不貞な行為があったとき

 ②配偶者から悪意で遺棄されたとき

 ③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき

 ④配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき

 ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

訴訟は、全てが判決により終了するわけではなく、訴訟の途中で、裁判所から和解案が出され、和解を勧められること(和解勧告)があり、双方が受け入れた場合は、その時点で終了となります。

 

実際の訴訟では、第2回期日から、「弁論準備」という手続きに入ることが多いです(入らないケースもあります)。弁論準備手続きは、以前は「弁論兼和解」と言われていた訴訟の進め方を、平成8年の民事訴訟法改正の際、法的に整備したものです。この弁論準備手続きでは、双方が主張書面と証拠を提出しつつ、争点を整理しますが、それが一段落したら、裁判官から和解の話があることが多いです。裁判官と双方の弁護士だけで、ざっくばらんに和解の話をすることが多く、世間の人が訴訟ときいてイメージするほど厳格な雰囲気ではなく、やわらかい雰囲気で弁論準備手続きは進みます。

 

最後まで和解を拒否した場合は、判決に進みます。和解を選択することにより、早期解決ができるというメリットがあります。また、場合によっては、和解の方が判決より良い条件で離婚できることがあります。なお、統計によると、訴訟離婚のうち、和解離婚が約48パーセント、判決離婚が約35パーセントとなっており、平均審理期間は約1年1カ月です。

 

和解案を受け入れるか否かの判断については、専門的な知識が必要となりますので、弁護士に相談されることをおすすめします

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弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

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