離婚に応じないモラハラ夫と調停で離婚が成立した事例(鎌倉市)


性別 年齢 相手年齢 職業 相手職業
女性

50代

50代 法人経営者(会社社長・開業医等)・自営業者 給与所得者
(会社員・公務員・パート・アルバイト等)



 

離婚請求 同居中か別居中か 原因 未成年の子ども 手続き
求めた 別居中
(7か月)
ご相談者が出た
モラルハラスメント・精神的虐待・暴言
性格の不一致・その他明確な原因なし
 その他
あり 調停



 

争点
  ■相手が離婚に応じない
  ■親権者・監護者






 


事案


ご相談者である妻は、夫からの、キレて大声を出す、家電を壊す、就寝中に体を触ってくる等の行為が嫌で別居し、自ら離婚調停を申し立てましたが、夫が離婚に消極的で離婚の話が思うように進まない上、夫が弁護士をたてたことから、横浜港北法律事務所の法律相談にお越しになりました。夫の方は面会交流調停を申し立てていました。

 


解決


親権者はご依頼者となり、調停で離婚が成立しました。

 

離婚 親権者・監護者
弁護士介入前 応じない 夫が親権者となることを希望していた

弁護士介入後

調停で離婚が成立 妻が親権者となった

 

 


弁護士の視点


本件では、夫が子ども達の親権者になることを希望したことから、その点がまず問題になりました。
夫側は、妻が親権者になることに合意できないとして、子どもの生活状況についての質問に回答することを要求したり、子の監護者指定等に関する調査官調査が行われる際に使用する書式である陳述書を提出することを要求してきました。

本件の状況からすると、夫が親権者になるということはあり得ない状況でした。
そのような状況でも、モラハラ夫は、妻に対し「お前が親権者にふさわしいことを説明しろ」と要求してくるわけです。

このようなモラハラ夫の行動は、同居中にもよくみられ、質問や要求をするという形をとりながら、妻を執拗に責めている場合が多いです。

人間は、質問や要求をされると、脳が無意識のうちにその回答を探し始めてしまう性質があります。

特にモラハラを受けやすい妻は、質問や要求を受けると一生懸命説明しなければならないような心理状態になりがちで、自分が責められているような気になり、どんどん追い込まれるということがあります。


モラハラ夫は、無意識のうちにこのような行動をとることで、妻に対して自分が優位に立とうとします。
そのやり方が巧みなので、妻はモラハラ夫のそのような行動が、単に自分が優位に立つためだけの攻撃に過ぎないということに気付くことができません。
モラハラ夫に対しては、このようなモラハラの構造を理解した上で対処する必要があります。

そこで本件では、モラハラ夫の質問や要求に対して、「まともに対応しない」という態度をとりました。
その際に重要なのは、「別に訴訟で離婚でも構わない」という態度です。

なぜなら、モラハラ夫が離婚を求められているくせに、なぜか偉そうな態度をとるのは、「俺がうんと言わないと離婚できないだろう?」という一点だけに依拠しているからです。
間違っても、「一生懸命説明しますからどうか離婚に応じてください」という下手の態度をとってはいけません。

普通の交渉相手であれば、そのような下手の態度が有効なこともありますが、モラハラ夫は「やはり自分が優位な立場にある」と感じてしまい、妻が未だ自分のコントロール下にあると感じてしまいます。
そうなると、もともと離婚したくないモラハラ夫は、「妻をコントロールして離婚を回避できる」と感じてしまうので、かえって離婚しにくくなります。

本件でも、このような強気な態度をとり続けた結果、不必要に長引くことなく離婚で終了しました。

 

 

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弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

当事務所は、離婚に特化し、離婚問題全般に力を入れていますが、中でも、モラルハラスメントの問題の解決に積極的に取り組んでいます。 離婚で相談にお越しになる方の中には、モラルハラスメントで苦しんでいる方が多くいらっしゃいますが、そのような方が、その苦しみから解放されて自由になるため、力になりたいと思っています。 当サイトにはじめてアクセスされた方はまずはこちらをお読みください。 弁護士紹介/ パートナーと離婚したい方へ/ パートナーに離婚したいと言われた方へ
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