パートナーと一緒に暮らすのが辛くて離婚したい方へ
目次
自分の悩みが”モラハラ”なのかを「知る」ことが大事
~モラハラかどうかを判断し別居を検討すべき~
パートナーと一緒に暮らすのが辛い方の中には、最終的に離婚した方が幸せになる人と、そうでない人がいると思います。
後者、すなわち「離婚した方が幸せになる人、でない人」に、別居をすすめることは、当事務所ではしていません。
しかし、前者、すなわち「離婚した方が幸せになる人」であるにもかかわらず、そうであることに気付いていないという人は、別居という選択肢があることを知ったうえで、自分の人生をどうするかを考えた方がよいと思っています(この場合も、離婚をすすめるわけではありませんが、選択肢があることを知ったうえで、自分の人生を能動的に決めていく方がよいということです)。
そして、モラルハラスメントを受けている人は、前者、すなわち「離婚した方が幸せになる人」である場合が多いように思われます。
ここで問題は、モラハラを受けている人の中には、「自分がモラハラを受けている」と明確に認識することなく、「辛いな、苦しいな」と悩み続けている人がいることです。
モラハラは、普通の夫婦喧嘩や単に夫婦仲が悪いこととは明確に区別される、特殊な状況と私は考えています。
そこでまず、自分の悩みが、一般的な夫婦の悩みに過ぎないのか、特殊なモラハラなのかを知ることが必要だと思います。
※以下では、自分がモラハラを受けているか否かの診断について記載しますが、当事務所では、モラハラを受けているか否かというご相談はお受けしていません。
弁護士の仕事は離婚相談ですから、この記事を参考に、離婚を決意してからご相談にお越しください。
離婚を決意していない人に対して、離婚の決意を後押しすることはしておりません。
そのため、離婚を決意していない段階でご相談にお越しになると、かえって、モラハラを理解していない印象を与えてしまうことがあります。
モラハラと他の悩みの区別の仕方~モラハラの本質~
モラルハラスメントの具体例については、モラハラチェックリスト、モラハラ夫の具体例、モラハラ妻の具体例をご参照いただくとして、ここでは、モラハラの本質についてご説明したいと思います。
夫婦の関係性に以下の二点が存在する場合、それはモラハラです。
・モラハラの本質1 相手を苦しめている自覚がない
モラハラの事案において、表面に現れる言動は、家庭によって様々です。
典型的には、無視する、一方が不機嫌になって他方は針のむしろにおかれる、キレる、怒鳴る、(怒鳴らなくても)相手が嫌がることを執拗に言う、否定的なこと(悪口)を言う、といったことがあります。
このようなことの積み重ねにより、一方が離婚を考えるほど苦しんでいるのに、他方は相手を苦しめている自覚がない、というのが、モラルハラスメントです。
この、自覚がない、という点が、最大のポイント、離婚を検討すべきモラハラの本質だと思います。
自覚がないから、同じことが繰り返されるのです。
・モラハラの本質2 被害者側は悪いことをしていない
そして、なぜ自覚がないかというと、被害者側が悪いことをしていないからです。
被害者側が悪いことをしていないのに、モラハラ夫・妻は、自分の中にあることが原因でキレたりしていると私は考えています(多数の事例をみていると、そうとしか考えられません)(下記※参照)。
この、悪いことをしていないという点が、2つ目のポイントです。
モラハラを受けているかを診断するためには
・診断1 自分が悪いことをしていないのに責められているか
ですから、自分がモラハラを受けているかどうかを診断するためには、第1に、自分が悪いことをしていないのに、相手から責められて苦しんでいるか否かを判断することです。
悪いことをして責められているのであれば、当然、問題ないということになります。
ここで注意して欲しいのは、「客観的に」悪いことをしたか否か、を判断することです。
相手が悪いと「言っているか否か」ではありません。
モラハラ夫・妻は、まさに、悪いことをしていないのにキレるわけですから、「モラハラ夫・妻の言葉」を基準に判断してはいけません。
・診断2 苦しめていることを相手が自覚しているか
次に、悪いことをしていないのに責めて苦しめていることを、相手が自覚しているか否かを判断することです。
悪いことをしていないのに責めて苦しめたことを自覚していれば、反省したり謝ったりしますから、改善が期待できます。
しかし、自覚がないと、改善が期待できませんので、永遠に苦しみが続くモラハラ、ということになります。
※ちなみに、なぜ悪いことをしていないのに責めるのかというと、モラハラ夫・妻には、根本的なコンプレックスのようなものがあるからと私は考えていますが、これについては、「なぜモラハラ的言動をするのか2~被害者が悪いことをしていないのに、なぜ、モラハラ的言動をするのか」をご参照ください。
※当事務所では、モラハラか否かを診断して欲しいという「モラハラ自体」のご相談はお受けしていません。
あくまで弁護士の仕事は、「離婚相談」だからです。
このページの記事を参考にして、離婚を決意したら、ご相談ください。
離婚を決意していない人に対して、離婚の決意を後押しすることはしておりません。
そのため、離婚を決意していない段階でご相談にお越しになると、かえって、モラハラを理解していない印象を与えてしまうことがあります。
モラハラを受けている場合は別居を検討する
以上のとおり、自分がモラハラを受けているという人は、別居という選択肢があることを知ったうえで、今後の自分の人生を決めていく必要があると思います。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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