なぜモラハラ的言動をするのか1~モラハラ被害者は、客観的に見て、非難されるような悪いことをしたか
モラハラ加害者は、被害者である配偶者に対し、日常的に、非難したり、不満をぶつけたり、人格を否定するような言動を繰り返します。
そのため、相談に来た被害者は、加害者が自分(被害者)に対してすごく不満を持っていると思い込んでいる場合が多いです。
それもそのはずで、モラハラ加害者の言動は、被害者に対して向けられていますから、被害者に対して不満を持っているようにしか見えません。
しかし、たくさんのモラハラ事例を扱ううちに、その見方は正しくないと考えるようになりました。
よく考えると当たり前のことなのですが、モラハラ被害者は、客観的に見て、非難されるような悪いことをしていないのです。
だから、被害者に不満があって、モラハラ的言動をしているわけではないのです。
被害者である相談者に対して、「客観的には悪いことしていないんですよね」と言うと、全員、「していない」と答えます。
モラハラ的言動のちょっとしたきっかけを作っていることはあるかもしれませんが、怒鳴られたり、長時間にわたって無視されるほどの悪いことは、客観的にしていません。
つまり、モラハラ加害者は、被害者が悪いことをしていないにもかかわらず、被害者を非難したり、不満をぶつけたり、人格を否定するような言動を繰り返すのです。
モラハラ加害者の言動を正確に理解するには、このように、「客観的にどういう事実があったか」を冷静に見る必要があると思います。
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弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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