なぜ弁護士の助力が必要になるのか~モラハラ離婚の問題点、なぜモラハラ離婚はもめるのか
当横浜あおい法律事務所に、モラルハラスメント(モラハラ)で悩んで、離婚を決意し、ご相談にお越しになる方の中には、相手(モラハラ加害者)に対し、まだ離婚の話をまったくしていないという方が多くいらっしゃいます。
相手にまだ離婚の話をしていないのに、何を悩んでいるかというと、離婚の話をしても、相手が離婚に応じなかったり、キレられて対等に話ができなかったりするのではないかと恐れているのです。
モラハラの悩み、問題は、まさにこの点にあるのです。
もし、モラハラ被害者が、相手のことを普段からまったく怖いと感じていなければ、離婚を決意したとき、相手に対して、「あなたのこういう点が嫌だから、離婚したい」と話をするはずです。
それに対し、相手が、「わかった。たしかに自分のそういう点は悪かった。離婚したいと思うのももっともだ。だから、冷静に、子どものこととか財産のこととかを話し合っていこう」と対応したとしたら、弁護士を必要とするほどの問題とはなりません。
つまり、モラハラが弁護士の助力を必要とするほどの問題になるのは、相手が離婚に応じなかったり、キレられて対等に話ができなかったりするからなのです。
相手に離婚の話をする前に弁護士の所にご相談にお越しになる方は、それを予想しているのでしょう。
ここで、相手が不倫をした場合の離婚と比較してみましょう。
もし、相手の不倫が離婚の理由であれば、相手は、「わかった。たしかに自分のそういう点は悪かった。離婚したいと思うのももっともだ。だから、冷静に、子どものこととか財産のこととかを話し合っていこう」という対応になる場合が多いです。
不倫が理由の場合に、相手が離婚に応じないとか、対等に話ができないといったことで悩む人は少ないです。
では、なぜ、不倫の場合は、このような対応になるのでしょう。
それは、不倫をした相手は、自分が悪いことをしたという自覚があり、かつ、不倫が離婚理由になることを知っているからです。
以上のように、不倫の場合との比較から、モラハラには、2つの大きな問題があることが明らかになります。
それは、①加害者に、悪いことをしているという自覚がないという点と、②モラハラが裁判上明確な離婚理由となりにくいという点です。
モラハラのご相談にお越しになる方は、前もってインターネットで調べるなどして、モラハラが裁判上明確な離婚理由になりにくいということを前提にしている方が多いように感じます。
もちろん、「私に対するモラハラはとてもひどいから、離婚理由になるべきだ」というご相談者も多くいらっしゃいます。
ただ、そのような方も、「明確な離婚理由になりにくいと聞いたが、おかしい」と考えているということです。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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