「離婚したくない」人と話をすることのすさまじいまでの苦痛
配偶者の一方が「離婚したい」と強く思っているのに対し、「離婚したくない」という対応をする人が少なからずいます。
モラハラ夫・妻にも、このようなタイプの人が多くいます。
「離婚したい」と言う人は、安易な気持ちで言うわけがなく、長い間、相手のことが嫌な気持ちと、子どものことや離婚後の生活に対する不安な気持ちとの間で葛藤して苦しんだ挙句、ついに離婚を決意するという人が普通だと思います。
それだけ、相手のことが嫌だということです。
そこまで嫌われてるのに、「離婚したくない」という対応をする人が少なからずいるという事実には、考えさせられるものがあります。
そして、「離婚したくない」という対応をとっている人を言葉で説得するのは困難です(言葉で説得する以外の手段を用いた方がよいということになります)。
「〇〇だから、離婚した方がいいよ」と相手から言われて、「なるほどー。たしかに。離婚した方がいいよね」となる人はいないと思います。
そして、問題は、「離婚したい」人にとって、「離婚したくない」人と話すのは、苦痛以外の何物でもないことです。
さらに問題なのは、「離婚したくない」人は、その相手の苦痛に気付かないことです。
弁護士の中にも、こういう人が、たまにいます。
「離婚したくないのですが、何とかなりませんか」という対応をとります。
離婚しか選択肢がない人にとって、そのような相手と話しても、まったく建設的な話にならず、ただただ苦痛なだけです。
「離婚したくない」人は、「離婚したい」人と、どういう話がしたいのでしょうかね。
「離婚したくない」気持ちを伝えたいというのであれば、手紙で足ります。
手紙を送ることをするなとまでは言いません。
手紙は、読む時間を読む側で調整できますし、読みたくなければ読まないことも自由です。
これに対して、「離婚したくない」気持ちを、口頭で伝えることは、「離婚したい」相手に多大な苦痛を与えます。
口頭で伝えられる場合、一定時間拘束されますし、聞かない自由もありませんから、離婚しか選択肢がない人が、「離婚したくない」気持ちを口頭で聞かされる時間は、苦行のようなものです。
そして、口頭で会話をしたいと言う人は、「離婚したい」人から、どういう話を聞きたいのでしょうか。
「いかにあなたのことが嫌いか」を聞きたいのでしょうか。
それとも、「離婚してください」とお願いされたいのでしょうか。
いずれにせよ、「離婚したい」側にとっては、ただただ苦痛の、苦行のような時間になることは明白です。
「離婚したくない」人は、「夫婦だから」といった、いかにも道徳的な理由をつけて、相手に苦行のような時間を強制するのでしょうか。
それは、相手のことを想う人がすることでしょうか。
離婚に応じろとは言えませんが、「離婚したい」人と口頭で会話する時間を持とうとすることは、相手をただただ苦しめる行為であることを理解して欲しいと思います。
横浜あおい法律事務所では、モラハラ夫のことで悩んで離婚したいと思っている方の法律相談(初回無料)を中心に取り扱っております。

弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

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