「離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本 」Joe

 

 

 

この本は、Joeさんという、どこの誰だかわからない人によって書かれていますが、モラハラ加害者と離れられない中での対処方法が書かれた本の中では、群を抜いて優れた内容になっていると思います。
アマゾンの評価が高いのもうなずけます。

 

この Joeさんは、ご自身の親がモラハラ加害者タイプだったようです。
モラハラ対応に関しては、 被害者から話をきくだけでは足りず、Joeさんのように、実際にモラハラ加害者と対峙した経験からしか得られないものがあるように思います。
実際に経験した人の話なので、非常に実践的で具体的な対処方法となっています。
モラハラを理解することよりも、いかに被害を受けないかに重点を置いて書かれているので、モラハラを受けている人は、まずはこの本を手にとることをお勧めします。

 

この本の秀逸な点は、弱そうに見えるから攻撃を受けるという根本的な部分を明確にしている点です。

 

夫婦関係においては、妻が弱そうに見えるからといって、夫が攻撃してくるなどということは、妻は夢にも思わないでしょう。
互いに守り合うのが家族だという明るい夫婦観を被害者はもっているからです。
しかし、加害者は、そもそもそういう夫婦観は持っていません。
弱い者は他人からつけ込まれても仕方ないという暗い夫婦観、世界観を持っているのです。
そのような世界であった方が、モラハラ加害者は安心できるのです。
みんながポジティブに努力して助け合うような世の中だと、モラハラ加害者は居心地が悪いのです。
モラハラ加害者は、暗い世界観を持ったうえで、自らの内面の葛藤を処理できずに他人に転嫁する性質があるため、攻撃の矛先が配偶者に向かうわけですが、当然、強く見える妻なら攻撃は受けにくく、弱く見える妻なら攻撃を受けやすくなります。
加害者から攻撃を受けても、「私何にも悪いことしてねーし!」といって自分の尊厳や自由のために激しく反撃するタイプの人がいるのは想像できると思います。 そういう人なら、攻撃は受けません。
逆に言えば、弱そうに見えるから攻撃を受けるということです。

 

この本は、そういった根本的な部分を明確にしたうえで、非常に具体的な対応策が書かれています。
例えば、モラハラ加害者の前で爆笑しないとか、個性的な言動をしないといった細かいことが書かれています。
ビクビクしてはいけないというのならわかりますが、なぜ爆笑してはいけないのかと思いますよね。この本によれば、被害者がそういったことをすると、コントロールしやすいとモラハラ加害者に感じさせ、つけ込まれてしまうからということですが、まさにその通りだと思います。 こういった細かい具体的な対応策を知ることは、モラハラ被害を減らすことに直結します。

 

ただし、この本に書かれている対応策を実践するには、かなりのエネルギーがいると思います。
おそらく、この本に書かれている対応策を実践しようとすると、うまくいきそうになっても相手がキレて空しくなるといったことの繰り返しとなり、攻撃を受けないようになるまでにかなりの時間がかかると思われます。
また、攻撃を受けないようになったとしても、この本は、その人と仲良くやっていくことはまったく前提としていませんから、マイナスをゼロに戻す効果しかないことになります。
ですから、この本に書かれている対応策を実践すべき人は、それだけのエネルギーを費やしてでもモラハラ加害者と一緒にいざるを得ない人、費やすエネルギー以上のメリットがモラハラ加害者と一緒にいることにより受けられる人に限られると思います。
一度きりの短い人生ですから、離れることができるのであれば、こんな無駄なエネルギーをモラハラ加害者のためなどに使わず、離れた後の自分の人生に生かすべきだと思います。

 

ただ、いずれ離れるならこの本が不必要ということではなく、離れることを計画してから別居するまでの期間、別居してから離婚するまでの期間において、相手と対峙していくうえでの精神的な心構えをこの本から学ぶことができると思います。
また、離婚した後も、子どもの面会を通して加害者と接点を持たざるを得ないことが多いので、その際の精神的な心構えを持つためにもこの本は有用だと思います。

 

この本の対応策で相手との距離をとりつつ、相手と離れるべきかどうかを、自分の人生のために、自分自身で自由に判断すべきだと思います。

 

 

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当事務所は、離婚に特化し、離婚問題全般に力を入れていますが、中でも、モラルハラスメントの問題の解決に積極的に取り組んでいます。 離婚で相談にお越しになる方の中には、モラルハラスメントで苦しんでいる方が多くいらっしゃいますが、そのような方が、その苦しみから解放されて自由になるため、力になりたいと思っています
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