根絶すべき、不毛な苦しみ
モラハラ被害者の話を聞いていると、とにかく、「ひどいな」と思うような話ばかりです。
普通の大人同士ではあり得ないようなひどい仕打ちを、モラハラ加害者は、配偶者に対してします。
平和で豊かなはずの日本で、一見穏やかに幸せそうに暮らしているように見える家庭の中で、こんなにもひどいことが、無数に起きていることは、ある意味、衝撃的な事実です。
モラハラは、わかりやすく言えば、「家庭内いじめ」だと思います。
学校でのいじめは大きな社会問題として取り上げられていますが、モラハラは、芸能人のニュースなどで、最近やっと社会に広く認知されるようになってきた段階に過ぎません。
しかし、モラハラ被害者の苦しみの大きさは、話を聞いていると、学校でのいじめと変わらないと思います。
このような大きな苦しみが、世間の至る所で、人知れず起きているわけですから、衝撃です。
私は、モラハラは、大きな社会問題であると思います。
人が苦しむとしても、何らかの目的があったり、苦しみを乗り越えた先にメリットがあれば、その苦しみには意味があると思います。
しかし、モラハラ被害者の苦しみには、そのようなメリットがありません。
モラハラ加害者から、キレられたり、無視されたり、否定されたりという、ひどい仕打ちを、繰り返し受けますが、それを乗り越えた先に何かあるというものではありません。
加害者側に何かメリットがあるわけでもありません。
ただキレて、すっきりしているだけで、そのことによって何かを達成するといった類のものではありません。
このように、モラハラ状況は、誰にもメリットを生むことのない苦しみが、人知れず、ひたすら繰り返されるというものであり、無意味・不毛・ナンセンスという他ありません。
ですから、私は、モラハラ状況は、社会から根絶すべきだと考えています。

弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

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