努力してもモラハラがなくならない、どこに地雷があるかわからない
被害者は、加害者のモラハラ的言動、具体的には、キレたり、無視したり、被害者を否定したり、という言動に出会うと、その状況を改善しようとします。
被害者は、本来、ポジティブで建設的な性格な人が多いので、家庭を良くしようとして、懸命に努力します。
しかし、いくら努力しても、加害者のモラハラ的言動はなくなりません。
被害者は、加害者から、自分(被害者)に対する不満を表明する言動を受けると、その言動を、何時間にも、何日にもわたって気にしてしまいます。
被害者は、内罰的で、「自分が悪い」と思いやすく、自分に対する不満を表明されると、そのことをすごく気にしてしまう性格の人が多いです。
(なお、この、内罰的な性格は、悪いものではなく、自分が悪いと思うことで状況をよくしようというポジティブで建設的な考え方の表れなので、モラハラ加害者以外の人との人間関係では、うまくいく場合が多いです。)
被害者は、加害者が言った言葉を気にして、問題を分析し、問題を解消して、いかに状況を改善するかを必死に考えます。
そうして、「今後はこうしよう」と、改善をこころみます。
ところが、加害者のモラハラ的言動は、なくなることはなく、被害者に対する不満は、形を変えて、延々と繰り返し表明され続けます。
加害者は、被害者に言った言葉をよく覚えていない、もしくは、ほとんど気にしていない、ということもよくあります(被害者が離婚を考えるほど苦しんでいるにもかかわらず!)。
こうして、被害者には、加害者のことがわからなくなります(異世界の住人のように見えてきます)。
加害者がどうしてキレるのか、がわからなくなります。
どのポイントでキレるのかわからない、どこに地雷があるかわからない、という状態になり、何をしてもキレられるような気がしてしまい、針のむしろ状態になってしまいます。
こうなると、加害者が家の中にいるだけで、気の休まる暇がなくなってしまいます。
これは、想像するだけで苦しい状況であり、別居や離婚を考えざるを得ないほどの状況であると、私は思います。
なぜ、このようなことが起こるのかを分析すると、それは、被害者は客観的に悪いことをしておらず、被害者には原因がないからだと考えられます。
つまり、被害者には原因がないから、被害者にはモラハラの原因を取り除くことが困難であると考えることができると思います。
※この記事では、敢えて、加害者が被害者に「不満を抱いた」ではなく、「不満を表明した」という表現を用いています。
これは、加害者は、被害者に対し、実際に不満を抱いているわけではなく、不満を表明する言葉を発しているに過ぎないからです。
この記事を読む被害者の方は、加害者が自分(被害者)に不満を抱いていると思わないように注意してください。
加害者は、被害者に不満は抱いていないと考えられます。

弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

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