モラハラ夫・妻の生育環境と人生観
生育環境
モラハラの相談者から話をきいていると、モラハラ夫・妻は、「親から甘やかされている」と指摘する場合が多いです。
両親のうちの片方である場合が多く、夫の場合は母親の場合が多いです。
この状況を見て、モラハラ夫のことを、「マザコン」とみなしている人も多いです。
>>マザコン夫の特徴
甘やかされて育ったために、何でも人のせいにしたり、他人の痛みがわからなかったり、建設的な希望がない、といった性格がつくられると推測しています。
※モラハラ夫には自分の希望がないと言っても、ピンと来ない妻も多いと思います。
他人に対する要求は異常に多いですし、家庭の外では精力的に活動していることを妻にアピールする人も多いからです。
しかし、よくよく観察してみると、モラハラ夫からの要求やアピールは、妻に対して優位に立ちたいという不毛な欲求(のようなもの)に基づいている場合が多いと思われます。
普通の人は、「将来こうしたい」といった希望を持ち、そのためには今何をすべきかといった建設的な思考をしますが、モラハラ夫は、そういった思考が少なく、単に、その場その場で妻に対して優位に立つことでスッキリすることを繰り返している人が多いように思われます。
これに対し、モラハラの相談者の一部には、モラハラ夫・妻は、「甘やかされている」ということはなく、「厳しく育てられた」、と指摘する人がいます。
両者は全然別物に見えますがが、厳しく育てるというのは、よい成績をとらないとほめてくれないとか、兄弟と比べられるといった、条件付きの愛情で育てられたと言えます。
甘やかすというのも、子どもにとって良いわけではないので、そういう育て方をするというのは、真の愛情によるものではないと思います。
そういう意味では、両者に共通点があるように思います。
また、厳しく育てるというのは、よくも悪くも、関心が高く、干渉的であると言えます。
この点も、甘やかすこととの共通点だと思います。
このように、まったく対照的な育てられ方をしたようにみえる両者が、同じように、モラハラ夫・妻になります。
人生観
このように育てられたモラハラ夫・妻は、いい大学にいって、いい企業に就職して、結婚して、子どもをつくり、家を買い、仕事をして妻子を養い、老後は妻とのんびり暮らす、という画一的な人生観を持っている人が多いです。
※もちろん、モラハラ夫には、そのような人生を歩んで来なかった人も多くいます。
ただ、自分の思い通りにならない時でも柔軟に対処して人生を切り開いていこうといった、建設的かつポジティブな思考が欠けているという点では、モラハラ夫は共通しているように思われます。
そういう人が、何をモチベーションに行動しているかというと、「妻を攻撃してスッキリしたい」「妻に対して優位に立ちたい」といった欲求(のようなもの)です。
普通の人からすると、そんな不毛な思考で行動している人がいるのかと思われますが、モラハラ夫は、そのような見方をしないと説明できないような行動を、離婚協議中でもとることが多いです。
だからこそ、妻は、モラハラ夫のことが理解できないのです。
親がつくった生育環境によって敷かれたレールを進んでいる人が多く、建設的な希望がない人が多いです。
このレールを進むことは、モラハラ夫・妻の性格が原因であり、いずれ、どこかの段階で、必ず挫折します。
その一つが、「配偶者から離婚したい」と言われることです。
離婚の前に、すでに挫折している人もいます。
このような人生観を持っていることから、「自分の人生で離婚ということが起きることが受け入れられない」という人が多く、離婚しないというリアクションをとることが多いのだと思います。
建設的な希望がないことから、趣味がなく、友達もいない人が多く、週末は家にいる時間が多く、家族と過ごすことを好む人が多いです。
※パチンコやサーフィンといった、一人で楽しめる趣味を持っている人もいます。
家族と一緒にいる時間が長くなり、家族とのトラブルが増えます。
モラハラを受けている人からすると、好きなことしていいから外に出掛けて欲しいと思いますが、好きなこと、やりたいことがない人が多いのです。

弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

最新記事 by 弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属) (全て見る)
- お客様の声(令和7年3月) - 2025年3月26日
- 年末年始休業のお知らせ - 2024年12月18日
- お客様の声(令和6年11月) - 2024年11月27日