要するに、なめてる=軽く見てる
目次
1 モラハラ加害者の攻撃欲求
モラハラ加害者の行動は、モラハラを受けている人からしたら、理解できないものが多いです。
ささいなきっかけから、無視する、怒鳴る、不機嫌な態度をとる、といった行動は、まともな感覚を持っているモラハラ被害者からすると、「なんで好きで結婚したのに、そんな態度をとるんだろう」と思えるものばかりです。
モラハラ被害者は真面目なタイプが多いので、最初は、相手の言葉をストレートに受け止めてしまいます。
相手が合理的に考えて発言しているのであれば、相手の言葉を受け止めたうえで対応するということを繰り返していけば、徐々に関係が改善されていくはずです。
真面目で、もともとポジティブな性格のモラハラ被害者は、相手との関係を改善して良くしていこうと考えがちで、もちろんそれは悪いことではないのですが、モラハラ加害者が相手だと、うまくいかず、どんどん悪化していきます。
これは、モラハラ加害者は、モラハラ被害者が何か悪いことをしたから攻撃しているのではなく、「目の前の弱いものを見ると攻撃したくなる」という攻撃欲求をもともと持っているからです。
そして、モラハラ加害者が発する言葉は、攻撃してダメージを与えることができれば何でもよいのです。
だから、モラハラ加害者が発する言葉が矛盾していることもありますし、モラハラ加害者は自分が発した言葉をよく覚えていないことも多いです。
2 なめてる=軽視してる、軽く見てる、軽んじている
このように、モラハラ加害者は、「目の前の弱いものを見ると攻撃したくなる」という習性から被害者を攻撃しているのですが、その根底には、被害者を「なめてる」(=軽視してる、軽く見てる)というのがあります。
攻撃的な態度をとっても、手痛い反撃をしてこないから、攻撃を繰り返すということが言えます。
3 弱いから反撃しないわけではない
では、加害者からなめられてしまう被害者は、弱い人間なのでしょうか。
もちろん、違います。
モラハラ被害者は、真面目で、人当たりがよく、ポジティブで建設的で、芯が強い人が多いです。
客観的に見れば、モラハラ被害者の方が強い人間で、モラハラ加害者の方が弱い人間と言えます。
モラハラ被害者が、加害者に対して手痛い反撃をしないのは、好きで結婚した夫婦の間でそんなことをしても、非建設的なだけだからであり、決して、弱いから反撃しないわけではありません。
モラハラ被害者は、互いに高め合うような夫婦観を抱いている人が多く、その夫婦観からすれば、どうでもよいことで相手を攻撃することは、不毛なことなのです。
ところが、モラハラ加害者は、その不毛なことを繰り返すのです。
自分の劣等感を埋めるために、配偶者に対して優位に立つという不毛かつ非建設的な行動を繰り返すのです。
そこに合理的な意味などはなく、ただ、自分がすっきりしたいから繰り返すのです。
モラハラを受けやすい人は、自分が好きで結婚した相手が、まさか、こんなどうでもよい動機で自分を攻撃してきてるなどとは思いもよらないのです。
そのため、こんな攻撃をしてくるのは、何かしら合理的な理由があるのだろうと考えてしまいます。
そう考えるのも無理もない状況なのですが、残念ながら、そこに合理的な理由などないのです。
それほど、モラハラ加害者というのは、特殊な感覚の世界で生きています。
4 潰れる家からは離れるしかない
住んでいる家が潰れそうな時は、とにかく離れることを優先しますよね。
「なんで潰れるんだ」などと理由を探る前に、離れるべきです。
モラハラ加害者との結婚も、この状況に似ているように思います。
「なぜこんな攻撃をしてくるのだろう」と考えてみても、答えはでません。
考えてもよいですが、それは、離れてからにした方がよいです。
家が潰れるのに、離れないでいれば、自分の方が回復不可能な被害を受けてしまいますから。
横浜あおい法律事務所では、モラハラ加害者の攻撃に耐え切れず、離れようとしている多くの方をこれまでサポートしてきました。
同じ状況でお悩みの方は、横浜あおい法律事務所の無料相談にお越しください。

弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)

最新記事 by 弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属) (全て見る)
- 夫が離婚に応じなかったが,調停を申し立てることで早期に離婚調停が成立した事例(令和7年7月) - 2025年8月21日
- モラハラ夫と、年金分割の按分割合を0.5とする内容の協議離婚が早期(1週間)で成立した事例(横浜市金沢区) - 2025年8月20日
- 夏季休業のお知らせ - 2025年8月1日