モラハラ夫・妻の得意な切り返し方
目次
「お前だって」=争点の切り替え
モラハラ夫・妻は、配偶者と話していて、自分が都合が悪くなると、「争点のすり替え」という切り返しをすることが多いです。
モラハラを受けている人が、状況を良くしようとして、意を決してモラハラ夫・妻の悪い点を指摘すると、「お前だってこれこれの点が悪い」と切り返してきます。
これにより、争点が、モラハラ夫・妻の悪い点から、すり替えられてしまいます。
モラハラを受けている人は、状況を良くしようとして指摘しているのに、これをされると、話が進まなくなってしまいます。
これが繰り返されると、モラハラを受けている人は、「この人には何を言っても無駄だ」という感覚になってきます。
このような切り返しをされた場合は、「今は私の話をしているのではない。あなたの話をしているんだ」と言って、争点を戻すことが有効です。
モラハラ夫は「自分を省みることがない」ので、「たしかに、俺が悪かった」となることはほとんどまったく期待できませんが、そうであっても、争点のすり替えをしていることを指摘すること自体には意味があると思います。
「俺(私)も苦しい」=争点の切り替え
似ているのですが、モラハラ夫・妻が得意な切り返し方として、「俺(私)も苦しい」というのがあります。
モラハラを受けている人が、モラハラ夫・妻の言動で傷付いた時、「あなたの言動で傷付いた。苦しんでいる」と指摘したとします。
これに対するモラハラ夫・妻の切り返しで多いのは、「俺(私)も苦しい」というものです。
これを言われると、指摘した方は、「自分の苦しみをまったく理解していない。それどころか、言葉が受け止められていない」という感覚になり、非常にむなしい気持ちになります。
これも、争点の切り替えの一種だと思います。
指摘した方は、まずは、自分が苦しんでいる点を問題にしたいのですが、それが、まったく受け止められない、門前払いのような形になります。
これをされると、異常なむなしさを感じ、何を言っても無駄だという感覚になってくると思います。
こういう切り返しをされた場合は、「今は、私の苦しみを問題にしている。あなたの苦しみについては、あとで話しましょう」という対応をするのが有効だと思います。
ただ、モラハラ夫・妻は、相手の苦しみを理解することがほぼ期待できないので、最初から理解してもらうことを期待しない方が得策かもしれません。
弁護士 松平幹生(神奈川県弁護士会所属)
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